

湘南ブランドを発信する大型商業施設を支える
日本最大級の電磁ロック式自転車・バイク駐輪場
2011年11月11日、神奈川県藤沢市のJR辻堂駅北口に直結した「テラスモール湘南」がオープンした。敷地面積は東京ドームの約3.6個分。ファッション、グルメ、カルチャーから映画館まで281店舗を収容する地域最大級の商業施設だ。空と風をイメージした「白」が基調の施設は、ハイセンスな湘南ブランドを発信していくのにふさわしい文化拠点となる。施設の集客力を支える要素の一つがエコステーション21なのである。



国土交通省の主導で地方公共団体による条例規定が促進され、一定規模以上の建築物を新増設する際に、附置義務駐輪場として整備された駐輪場施設が求められている。
テラスモール湘南のように敷地が広大になればなるほど附置義務としての台数は増加していく。本施設では、附置義務台数が3,000台を超える事がわかり、エコステーション21の設計・導入・運営で実績を積んできたNCDに相談が持ち込まれた。
NCDが駐輪場設計で重視した大きなポイント
① 3,000台を超える規模への対応
② バイクの需要が高い地域性を踏まえる
③ 商業施設利用者の購買行動・動線を意識する
④ 辻堂駅利用者も利用しやすくする
しかも、商業施設開発の進捗によって刻々と変わる状況に合わせながら、附置義務台数も敷地内に納める事が要求される。その結果、最終的には1,000枚以上の設計プランを作成し、AからIまでの9つのエリアを運営する導入プランが採用された。



江ノ島に代表される湘南地区は地元と来訪者も含めてバイク利用が多い土地柄のためバイクの駐車台数確保も必須条件となった。そこで、安全面を考え自転車とバイクの動線が交錯しない設計を工夫した。
また、広大な敷地に展開する駐輪場には付近の施設と利用者の購買行動を考慮し、駐輪機の機種と料金体系を使い分けている。
例えば、生鮮食料品など日常の買い物が多い店舗地区では、短時間での利用を考慮し、最初の一時間を無料とし、設置間隔が400mmで自転車の取り回しが簡単なDロックを採用した。
一方、ファション・カルチャー関連や映画館のあるエリアでは長時間利用を考慮し、最初の4時間を無料にした。機種はWINGとし、設置間隔を300mmにすることで必要な収容台数を確保することも可能にした。
長時間利用に対応した駐輪スペースでは、辻堂駅を利用する通勤・通学目的の方に使っていただくことも考慮し、課金する時間も長めに設定している。
このような細かな対応を可能にしたのも、駐輪場設計に際して、辻堂駅を中心とした自転車・バイクの利用状況や施設が完成した後の購買行動など、きめ細かなマーケティング調査が元になっているからである。

エコステーション21は、NCDのITソリューション技術を活かした無人管理と、精算機付属のインターホンや電話で24時間サポートセンターが対応するという遠隔管理が大きな特長だ。
しかし、テラスモール湘南の規模と利用者の目的を考えた時、遠隔管理に加えて、常駐の現地スタッフが巡回して、利用者へのサポート行うようにした。IT技術とマンパワーをミックスさせ、お客様に満足・快適に利用して頂けるよう配慮した。



東日本大震災で起こった大規模停電にも対処し、全ての精算機に緊急用バッテリーを搭載。災害時、電源の供給がなくなる前に駐輪機の電磁ロックは自動で解除される機能を持たせた。そのおかげで利用者が自転車を出せなくなることはなくなる。
【テラスモール湘南に限らず、エコステーション21の標準機能です】
そこには、「駐輪場は自転車を停めるだけの施設ではなく、施設利用者に快適な時間を過ごしていただくための重要な要素だ」というNCDの思想に基づいた設計がある。
- 駐輪場A
- 駐輪場B
- 駐輪場C
- 駐輪場D
- 駐輪場E
- 駐輪場F
- 駐輪場G
- 駐輪場H
